キンボールスポーツは英語で「KIN-BALL sport」と書きます。この「KIN」は、英語の「キネスシス(kinesthesis)」の頭文字から来ており、「運動感覚」の意味があります。
つまりキンボールスポーツとは、訳すと運動の感覚を楽しむスポーツとなります。運動神経を磨いたり、競ったりする一面的な記録主体の競技でなく、運動による感性創出すなわち「励まし、助け合い、感動の共有や協調性を高める」そんなコンセプトを具現化したスポーツがこのキンボールスポーツと言えます。
経済が成熟した現在の社会では、人と人の関係の弱体化や生きがい感の喪失、強い精神ストレスの発生と多くの問題が生じています。キンボールスポーツは、このような背景の中から「共に生きる力をつける」ことをテーマに、カナダ・ケベック州のマリオ・ドゥマース氏によって創案されました。
コンペティションゲームの攻撃のヒット時はチーム全員がボールに触れていなければなりません。さらにヒットは同じ人が2度続けて打つことはできません。守備のときも飛んでくるボールを1人では取れなくても4人で協力すれば取ることができます。よって攻守とも全員が参加できる画期的なボールゲームです。
キンボールスポーツ創案者のマリオ・ドゥマース氏は、1982年カナダのモントリオ-ル大学体育学部を卒業し、体育の教師をしていました。そこで彼はわが国と同じように若年層の無気力感や他人事には無関心である実態に接し、ある種の危機感をいだきました。
彼は、専門のスポーツによって「生きる喜びなど感動の共有や協調性を高める」ことがこれからのスポーツの重要な使命であることに気付き、試行錯誤の上このキンボールスポーツを生みだしました。それは、1986年カナダ・ケベック州でのことでした。同時にケベック州キンボール連盟が政府公認のもと設立されました。
以来、カナダはもちろんアメリカでも多くの学校 (5000校を超える)や地域で採用され、現在わが国やベルギー、フランス、ドイツなどのヨーロッパにも広がり500万人以上の人々が楽しむワールドゲームに発展してまいりました。
私たちがめざすキンボールスポーツのあるべき姿は、「キンボールスポーツが人々の絆を深め、豊かな社会を創り出す」ことにあります。
私たちが取り組む一つ一つの活動が、関わるすべての人々の身体的、精神的、社会的なつながりを強固にし、それが豊かな地域社会を創り出すことにつながっていくという考えです。
そのような社会を創り出すために、私たちはキンボールスポーツの大きな特徴「共遊」をビジョンとして大切にしています。
「共遊」とは「楽しむ」「つながる」「尊重する」という3つのキーワードで言い表すことができます。キンボールスポーツをプレーする中で、ゲーム自体を「楽しむ」ことは言うに及ばず、関わるすべての人を尊重し、仲間や家族との一体感、地域社会とのつながりを感じる楽しさをも共有していくことにあります。
愛好者の皆さんがボールに触れている時は、一人一人が主役になり、生き生きと輝くことができ、自分を認めてくれる仲間がいて、ずっとこの場に居続けたいというハッピーな気持ちでいっぱいだと思います。
「輝ける居場所がここにある!!」というスローガンを掲げ、この素晴らしい場に一人でも多くの方に足を運んでもらえるよう努力していきたいと思います。
私たちはこれらの理念、ビジョンを具体化するために中長期目標をたて、それをもとに年度計画をたてて「人々の絆を深め、豊かな社会づくり」を一歩一歩進めていきます。